楽曲編成 |
華清の春の朝霞 柳桜の色深く 錦の袂薫り来て 行幸を待つぞ麗はしき
宮の鶯花に鳴き 軒の燕は雨を呼ぶ 羨ましきは己が身の 心の儘に任すらん
楊家を出でしその色に 君の心を惑はされ 一人の他は眼につかで 遠ざくるこそ恨みなれ
選ばれ出し二八の春 移され来ては六十路の秋 空しき床に老い果てて 音をのみ泣くぞ哀れなり
芙蓉花衰へて 露の玉光なし 今は見えじな見えもせば 疎き人には笑はれん
壁にそむける燈し火の まだたき残す夜はすがら 窓打つ雨の音聞けば いとどさへ寝られぬ
たとへて言はば花鳥 文に作り詩に歌ふ 今様の姿とりどりの 中に侘しきただ独り
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