楽曲編成 |
春風に靡く姿や浅緑、好いた仕打に誘はれて、思ひ立つ名の出口の柳、都を過ぎて此所かしこ、八町三所描きちらす、ひと風かはる大津絵の、七つ道具の武蔵坊、かたい石場の間より、ぬるりぬるりと瀬田鰻、長い旅路を踏みわけて、草津の里の姥が餅。つくつく杖の下くぐる、目川の水の忍ぶ恋、 なんぼ石部のお前でも、心違はすその手くだ、座敷騒ぎをかこつけて、踊子汁は水口に、うまい首尾じやと登りあふ、阪は照る照る鈴鹿と合ひの、あひの土山、雨にしつぽりと、大竹小竹阪の下、心の丈は尽されぬ、筆捨山のその中を。 関にせかかる椋本の、娘ごころの一筋に、津の町通る阿弥陀笠、人目かまはぬ旅の空、雲出の河を高からげ、又の泊りを松坂と、黄楊の櫛田も通り過ぎ、かみの油の口上手、煙草入売る小林屋、伯父も伯母御も買うて行く、数は積るに限りなき神の恵みの山田へ
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