楽曲編成 |
万代を、摘むや茶園の春風に、寿添へて佐保姫の、賑はふ袖の若緑。人目をなにを初音。霞を分けて青山の、小松の城や綾の森、千歳障りもなしむしに、齢ひ老いせぬ姥昔。 誰にも年を譲り葉の、千代の緑の松の尾の、神代の末の後昔。 光を添へて園の梅、なお白梅の色香にも、深くぞうつる川柳。湖水越すだに宇治の波、初花見する山吹の、花橘の匂ふてふ、夢を結ぶの折鷹や、小鷹の爪に枝しめて、木蔭も多き一森の、喜撰の庵の夏の峯。滝の音をも菊水の、朝日山の端、薄紅葉、高尾の峰に雁がねの、あさる声々笠取の、数万所面白や。心を澄す老楽は、祝ひの代にうたふ舞鶴。
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