楽曲編成 |
限りなく、静かなる世や吹く風も、勿来の関の山桜、鎧の袖に散りかかり、花摺衣陸奥に、駒を進むも君のため。 弓を袋に鋤鍬や、案山子を友と野辺の業。 菜摘み水ひき貢とり、薪を肩に彼処なる、木の間の月を楽しみて、山路の憂きを忘れめや。 雨露霜を凌ぐ身の、工匠は墨と曲尺てより、 大宮造り殿づくり、烏帽子素袍も華やかに、賊が軒端も建てつづき。 錦織るてふ機ものの、夜寒むいとわじ綾とりの絹、染めて貴賊の色分かぬ、同じ眺めは白妙に、雪は一入きぬぎぬの、情け商なふすぎはひに。 姿言葉は賤しくて、心ばかりは、皆やさしかれ。
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