楽曲編成 |
一千年の色は雪のうちに、深き願ひもけふこそは、はるばる来ぬる旅衣、日も麗に四方の空、かすみにけりなきのふまで、波間に見えし淡路島、あをきが原もおもひやる、実に広前のすがすがし、 かたそぎの、ゆきあひの霜のいくかへり、契やむすぶ住よしの、松の思はむことのはを、わが身に恥づる敷島の、道をまもりの神なれば、四季の詠めのそのうへに、恋は殊さら難題がちに、読めたやうでも、よみおほされず、てには違ひに、心を尽し、高いも、低いも、あゆみをはこぶ、なかおしてるや、難波女の、よしあしとなくかりそめに、うたふひとふし優なる、忘貝との名はそらごとよ、逢うて別れて其後は、又の花見を楽しみに、日数かぞへて思ひ出す、わすれ草との名は偽りよ、茂りてかれてそれからは、後の月見を楽しみに、夜半をつみつつおもひだす、春や秋、往昔世に光る君、御願はたしの粧の、今に絶えせずおくは猶、深みどりなる其中に、花や紅葉をひと時に、こき散したる賑ひは、 筆もことばも及びなき、折しも月の出汐に、つれて吹き来る松風の、つれて吹き来るかぜの、かよふは琴のねがひも三つや、四つのやしろの御めぐみ、猶いく千代も限りなき、道の栄と祝しけり、道の栄と祝しけり。
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