楽曲編成 |
春立つや、門は松枝のわかみどり、雲井ななめにしら波の、なぎさによするあらち山、ひかりのどけきひのみさき、その簸の河のながれくむ、鰐がふちせのみ寺まで、ぬかづきすぐる草まくら、ぬふてふ鳥もこゑにほふ、梅の花笠ひよりがさ、さくらはものをおもはする、あさなあさなの峯のしら雲、浦はにしきのひかたのかひ、名にいろいろをよびたてて、いそなつむてふしづのめの、つぼをりならぬつまからげ、しどけなりふりよ、その十六の島小舟、つりとるわざも手馴れてなれて、さをもみなれのやるせなき、浪のあらめやうちよする、よその見るめも何よしあしの、やみをぬひぬひとぶ蛍、袖しがうらのもやうどり、ほんにほんにしをらしや。 そめいろいろのつたもみぢ、てまのせき山つい打ちこえて、月は夜ごろにこがくれの、妻にこがるるさをしかの、ほんにほんにしをらしや。 秋もくれ、わがの河原のわが思ひ、えんをむすぶのみやしろへ、歩みをはこびかねて ねがひのひとすぢを、つい打ち明けていうよ見よかいな、人目をはぢのかたざとや、恋ひわたるらむさたのうら、雪の苫屋に友よぶ千鳥、ちりやちりちりちりかかる、吹雪を花のおもしろや、旅のやどりをゆびをれば、はるばるきぬるみちしるべ、見かへる空も八雲立つ、出雲八重垣つまごめに、八重垣つくるその八重垣を、守るや神の国すぐに、いく十かへりの春やまつらむ、春ぞ待ちぬる。
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