楽曲編成 |
常盤なる、松を浸せる千歳河、月も夕べの品評め、桂男の俤ゆかし、見そめてそめて染めかかる、 竜田姫とは浮気ばかりのいろかへ、つゆのまもわすられむぼのなかなかは、いにし驪山の春の園、ともにながめし花の色、そのことの葉もいもせどり、めをとのえだといひかはしまの、水ももらさぬ誓詞のかずを、筆にちかひし墨色の、濃いなか浮名の種を巻紙に、ぐちのありたけふみ枕、文がやりたや室の津の君へ、君がなげぶし投文なげてくどき文、夜毎に通ふ神かけて、ほんにとりなり、よいふうじぶみ、一寸こなたへかりの文、祈りまゐらせそろかしく、文も見ずとは橋立のみちよ、道の切どできれ文いやよ、誓文、いよし御見とかいたるは、ほだしの種か縁結びぶみ、紅葉わけつつ鹿のふみ、 思ひまゐらせそろかしく、止めて嬉しきやまともじ、返すがへすもめでたけれ、君は千代ませ八千代ませ、なほいろますや万歳楽、千箱の玉章たてまつる、これぞ久しき貢かな。
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